画期的な耐震構法です

東京工芸大学工学部建築学科上西研究室(構造)での耐震実験をもとに開発された耐震構法で、
構造力学の原理を活用して、耐震性能を倍増させた在来軸組み構法です。

「どんな地震・台風にも耐える丈夫な住まいであってほしい」
そんな願いをこめて開発したTIP構法。その安全性・信頼性をご確認ください。

TIP構法「5つの特徴」

誕生・名称

TIP構法の誕生

TIP構法は『住む人に安心を実感してもらう』ことをコンセプトに、東京工芸大学工学部の構造実験室で、上西教授(会長)が卒業研究生とともに10年の歳月を費やし開発された、木造住宅用耐震構法です。
TIP構法は力学や物理学等、自然の法則を有効に活用した建築構法で、日本で初めて大学機関によって開発された構法です。

施工は協会正会員である、地域の中小工務店・建築会社の優秀な職人さんが、技術セミナーを受けた 後担当しますので、的確な工事を行うことができます。費用や施工日数は従来とほとんど変わりません。

TIP構法の名称

TIP構法の名称については、2つの意味があります。

  • ひとつは、東京工芸大学工学部の構造実験室で卒業研究生とともに開発した耐震構法なので、東京工芸大学の英文名(Tokyo Institute of Polytechnics)のイニシャルです。
  • もうひとつは、構法の特徴である、三角形(Triangular)の接合(Incorporate)用合板(Plywood)を用いた構法という意味です。

新技術

TIP構法の新技術

在来軸組構法で住宅を建てる場合、通常使用していない施工法(技術)です。

部材の名称等摘  要(単位mm)
軸組水平荷重
対応型軸組
外周まわり軸組の横架材の幅は柱幅(原則として120)に合わせ、横架材の成(150,180,210,240)は揃える。
接合部補強ガセット柱と横架材の交点は、原則として厚12の構造用合板を薄鉄板で補強したガセットプレートで接合する。
但しその形状は直角二等辺三角形または正方形とする。

平成12年4月から、鉄板で補強されたガセットプレート (実用新案登録証登録第3012518号)が、標準仕様になりました。
使用材料
1.構造用合板
低ホルムアルデヒド構造用合板 特類1級 厚12.0
F☆☆☆☆
防腐防蟻処理
2.鉄   板
ガルバリウム鋼板 JIS G3321:2017 厚0.4
3.接 着 剤
コニシ(株) ボンド E500W
F☆☆☆☆
4.塗   料
日亜ペイント(株) 合成樹脂エマルジョンペイント
ビニヨンゴールド F☆☆☆☆
筋かいクリアランス筋かいの端部は、その先端を横架材の上面または下面から15離して補強ガセットのフリースペースに当て釘打ちとする。
広幅筋かい筋かいは、その厚さを45に限定し、その幅は、標準筋かい90のほかに、広幅筋かい105、120を使用する。
接合部設計筋かいの耐力は幅により異なるので、接合部設計を行いその詳細を決める。
接合部設計を行って決めた詳細図はTIP構法設計施工マニュアルに掲載。
下地板斜め張り下地板は厚12とし、45度の勾配で目透かし張りとする。
但し下地板の形状は台形または平行四辺形で、下地板の隙間は約20とする。

〔注〕
※ガセットプレート:筋かい材端接合部やトラスの節点などで集結する部材を接合するために用いる鋼板
(岩波書店発行の建築学用語辞典より)
※補強ガセット:TIP構法のオリジナル製品
※フリースペース:ガセットプレートの平面のうち柱等の集結部材と接触していない部分

TIPの構法の効果

①筋かいと補強ガセットの使用によりトラス構法とラーメン構法を併用するので、耐震性能が著しく増大する。
②筋かいの端部を補強ガセットとせん断釘で接合するので、圧縮にも引張にも利くようになり、筋かいによる耐 震強度が高まる。
③筋かい端部に設けるクリアランスの効果で、筋かいの折損および、筋かいによる柱の引き抜き・横架材の突上げを緩和する。
④広幅筋かいの使用により、筋かいの耐震強度が高まる。
⑤下地板を斜め張りにするので、耐震性能が増大する。また、斜め張りは縦揺れに対しても有効である。
⑥水平荷重対応型軸組では、階ごとに軸組の内則高さが揃うので、柱スパンによって分類すればパターン化が可能となる。そのため、筋かいや下地材の加工が容易。また下地板壁をパネル化する場合は施工の効率が更に高くなる。
⑦軸組の接合に補強ガセットを使用するので、下地材の表面がフラットになり、仕上げ材の取り付けが容易になる。

実験の裏付け

近畿職業能力開発大学校での振動実験(2019年)

詳しくはこちら

近畿職業能力開発大学校での面内せん断試験(2019年)

詳しくはこちら

日本住宅・木材技術センターでの性能評価試験(2019年)

詳しくはこちら

岐阜県立森林文化アカデミーでの面内せん断試験 (2014年)

詳しくはこちら

日本住宅・木材技術センターでの実験 (2000年)

詳しくはこちら

 

東京工芸大学での実験 (1996年)

詳しくはこちら

東京工芸大学での実験 (1986年)

詳しくはこちら

品質管理

TIP構法住宅の品質管理は最も重要な課題で、協会事務局と会員会社の連携の下に行っています。
品質確保については、契約の当事者である会員会社がその責任を負うことになりますが、協会は以下の方法ですべての会員をサポートしています。

1.TIP構法技術セミナー

新規に入会した会員にはTIP構法技術セミナーの受講を義務付けています。
セミナーではTIP構法設計・施工マニュアルの解説を行い、TIP構法に関わる設計と施工について詳しく説明します。
経営者に限らず、設計・施工担当者の参加を歓迎しています。

2.TIP構法特記仕様書・認定書・認定表示板

TIP構法は国の建築基準をはるかにクリアした耐震・台風強度を持つ木造住宅構法です。
それは、建設省住宅局(現 国土交通省住宅局)、住宅金融支援機構と協議済みの『TIP構法特記仕様書』からもご理解いただけると思います。
また、住宅完成時に日本TIP建築協会より認定書と認定標示板を発行いたします。

  1. TIP構法特記仕様書
  2. 認定書
  3. ステンレス製 認定標示板

1

2

3

3.TIP構法軸組図

TIP構法住宅を建築する場合は、事前にTIP構法軸組図を描き、ガセットプレートの配置や下地板の張り方などを決定します。工事担当者は軸組図に沿って正確に施工することが求められます。
また、ガセットプレートについては、施工前に注文しなければなりませんが、注文書を作成する場合にも軸組図は不可欠です。参考までに一言。最近、耐震診断を受けるよう地方自治体からのお勧めがきますが、「我が家のどこにどんな筋かいが入っているか」とか「筋かい端部はどうなっているか」を記載した図面は、木造住宅では殆ど見当たらないようです。TIP構法でお建てになる方には将来に備えて、軸組図を「引渡図面の一部」に加えるようにしています。

4.ガゼットプレート型板

TIP構法はボルトの使用を避けN50釘を多用しています。そこで、ガセットプレートの釘打ち作業を正確にかつ迅速に行うために、型板の使用を勧めています。
型板は事務局で斡旋していますが、会員が自ら作成することを歓迎しています。
型板の使用で品質が著しく向上したことは過去の実績からも明らかです。

5.TIP構法チェックシート

着工後、TIP構法に関わる工事が終了した時点で、TIP構法チェックシートを作成します。
TIP構法軸組図作成者・現場管理者・建築主がチェックして署名した後、協会事務局へ送付することになっています。事務局の技術担当者がそれをチェックし問題箇所があればすべてコメントをつけて送り返し、品質向上に努めています。